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国際会議に日本のアトピー性皮膚炎患者代表として参加

アトピー性皮膚炎臨床試験の評価方法の世界統一に向けた国際会議に日本のアトピー性皮膚炎患者代表として参加

2011年6月6, 7日、オランダのアムステルダム大学の図書館でHOME(Harmonising Outcome Measures for Eczema) II meeting が開かれました。世界各地から医師、研究者、看護師、製薬関係者、そしてアトピー性皮膚炎の患者、合わせて40人ほどが参加いたしました。

HOMEII.JPG左から佐伯先生・製薬会社の方・主催のウィリアムス先生・大塚さん・古江先生・大矢先生

このミーティングの目的はアトピー性皮膚炎の薬の臨床試験(新しい治療と既存の治療の薬の効果を公平に比べる研究)の評価の仕方を世界レベルで、それぞれの立場を超えて決めることです。今まで臨床試験は「掻く回数が減る、アトピー性皮膚炎の色々な面をスコア化する」など、それぞれ医師が異なる方法で評価していることが問題でした。 また、今回のミーティングからはアトピー性皮膚炎の患者さんが参加となりました。患者さんの見方を取り入れ、それぞれの立場すべての人が良いと思える評価を決めようということでの招待でした。

難しい目的ではありますが、日本の患者さんの考えを伝える機会であり、世界中からの患者さん・それぞれ違う立場の方の意見を聞ける貴重な機会となりました。参加前に、日本アレルギー友の会での電話相談を参考にしたり、患者の皆様から意見をお聞きしてから参加いたしました。

HOME Iで出された評価方法の項目についてのディスカッションからスタートし、初めから白熱した議論が交わされていきました。以前出された項目だけでなく新しい項目も入れ、まとめていきました。医療従事者、研究者、患者それぞれの立場を超えて一番ベストな評価方法を決めていく

ディスカッションの方向性は評価方法それぞれの項目についてやオーバーラップしている項目はないかについて話合い、必要な項目を決めていき、最終的にそれらの項目をどう評価するかについて決めていく流れでした。今回は項目を決めることに集中いたしました。

内容の1つをお話しますと、「重症度をどう定義するか」についてです。アトピー性皮膚炎の症状が非常に悪い人がすぐに良くなった場合、またアトピー性皮膚炎の症状が前者よりも軽いけれど症状が長く続いている場合、どちらが重症なのか?また、重症度とsign(湿疹の状態など)やsymptom(痒み、眠れないなど)の関係についてなど難しい内容でした。

そして、アトピー性皮膚炎の重症度判定には20種類ほどあるのですが、判定方法の1つであるTISS(Tree Item Severity Score)をつくられた先生の発表がありました。さらに、それぞれ異なる判定を使って研究されている先生方からの発表もあり、その後「各評価における問題点・各評価で取り入れたいと思う良い点」についてディスカッションいたしました。

QOL(Quality of life;生活の質)については、薬の使い心地(軟膏、クリーム、ローションなど)について患者としてお伝えしたところ、皆さんがうなずき納得してくださいました。

世界の患者さんともお話する機会があり、今患者会を作っているところでやることがたくさんある!と一生懸命な女性にも出会いました。そして、世界の患者さんの悩みや医療制度の違いなど知ることができました。日本アレルギー友の会の活動についてもお褒めの言葉をいただき、今回の経験をいかしてボランティア活動を続け、皆様のサポートができればと思っております。また、皆様も当会の正しい情報や出会いを通して、前に進んでいけるような何かをつかんでいただけたら幸いです。 
(大塚裕美)

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