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アトピー性皮膚炎体験記:難治化したアトピー性皮膚炎が 良くなるまで 

難治化したアトピー性皮膚炎が良くなるまで

小さい時から悪化と軽快を繰り返しながら、高校3年のときに急激に悪化。ステロイド外用薬を塗っても効かないという不安を乗り越え、正しい治療をすることで良くなっていきました。仕事でのストレスで悪化するときもありますが、ジョギングでリフレッシュするなど自分なりのコントロール法をみつけて、今では資格試験に挑戦するなど自分らしく生きる道をみつけたMEさんです。

M.E 37歳

 

(中学生のころから悪化)

子供の頃から肌が弱く30年近く皮膚科通いをしています。子供の頃は膝の裏と肘の裏、口の周りに湿疹の症状が出ていましたが、当時はただの湿疹という診断で亜鉛華軟膏を処方してもらっていました。

小学生の頃は周りの子と比べて多少皮膚がカサカサしていたと思いますがあまり気にせず過ごしていました。

中学生になると勉強や部活などの疲れや環境の変化からか頭と体が痒くなり皮膚症状が昔に比べてだんだんに悪くなってきました。

痒 くて頭皮を掻くと白いフケのようなカサカサしたものが沢山落ちてきて何でこんな状態になってしまったのだろうと悲しかったです。その時の顔や腕などの肌の 状態は掻いてもきちんとケアをしていなかったのでかぶれた様な感じだったと思います。クラスの友達の肌を見ては何で自分だけこんな肌なんだろうといつも違 和感を感じていました。

友達や家族からは肌が弱い体質と理解してもらっていました。中学生になって悪化した肌は今まで通っていた病院では良 くならず別の病院へ行って初めてアトピー性皮膚炎と診断されました。その時、処方された薬はステロイド外用薬のパンデルとかゆみ止めの飲み薬でした。定期 的に病院に通いそれで症状は落ち着いていました。

高校生になってから1年、2年は比較的楽しい高校生活を送り症状は落ち着いていました。たまに症状が出ても薬を塗ればすぐに良くなる状態だったのでその頃はそこまで悩んではいませんでした。

〈突然の悪化〉

高校3年生頃から以前よりアトピー性皮膚炎が悪くなりステロイド外用薬も強めのものを処方されたり内服ステロイドを処方される様になりました。高校3年生の冬頃、突然顔と体中が痒くなり、掻きすぎて汁が出るようになりました。

看護師さんも先生もその症状を見てとてもびっくりしていました。内服のステロイドを処方されていたのでそれが原因だったと思います。効果がある半面薬の使い方が難しいと思いました。

朝起きると顔や耳などから汁が出ていてその汁がヌルヌルして気持ち悪いのとヒリヒリ痛いので顔を洗う気にもなりませんでした。そんな状態では人と会うのも苦痛で自分の顔を鏡で見るのも勇気がいりました。

その後、就職をして半年くらいは内服ステロイドのリバウンドと副作用で顔が赤い状態と痒みが続き毎日その状態に耐えて仕事をしていました。

職場の人達からは最初は赤い顔でびっくりもされましたが、一生懸命仕事を覚えてそのうちアトピー性皮膚炎だということを周りの人達に理解して受け入れて仕事をさせてもらっていました。

20歳頃からアトピー性皮膚炎の調子も良くなり職場の同僚達と旅行に行ったりと楽しい思い出も出来ましたが、仕事の疲れやストレス、食べ物、花粉や色々な環境要因で悪化すると病院に行ってステロイド外用薬をもらい症状を良くするという感じを繰り返していました。

(ステロイドが効かない不安)

30代になるとアトピー性皮膚の症状が治りづらいものになってきました。今までの様にステロイド外用薬を塗っても良くならず悩む様になりました。良くなりたい一心で色々と調べ、いいと言われるものは沢山試しました。

良 いと思って試したものは漢方薬と気功、玄米菜食、減感作療法、半身浴などです。どれも肌が痒いのは治まらず症状がひどい時に効果があるものはありませんで した。毎日掻き壊しどんどん悪くなり毎日暗い顔で過ごしていました。どうしていいか分からずこの状態から肌が良くなるのかとても不安でした。

ステロイド外用薬はインターネットなどで悪いものだと言われ、長期に渡り、塗っていたので使い続けるのがとても不安でした。

ステロイド外用薬を塗っていたせいで今こんなに辛いのだと思っていました。

ステロイド外用薬を過去の様に塗っても良くならずますます不安になりました。

標 準治療では良くならず知り合いの勧めで漢方と気功の病院に通いましたが、そこでもステロイド外用薬を長く使っていると治りづらいと説明され一回症状を全部 出さないと良くならないと説明され今まで標準治療をやってきたことはなんだったのかと絶望的な気分になりました。どの治療を信じていいのか分からなくなっ ていました。

ですが仕事もしているのでステロイド外用薬を塗って症状を抑えながら過ごしていました。当時の症状は硬い痒疹でとても治りずら い状態でした。体にはマイアロンやアンテベート、顔にはベトネベートやロコイド保湿剤はヒルドイドローションを使用していました。お風呂上がりに薬を塗っ ていました。良くなったと思って痒疹の硬さがとれる前に塗るのをやめていたのですぐぶり返していました。

今思えばステロイド外用薬を怖がりながら中途半端に塗っていたからなかなか良くならなかったのだと思います。デコボコした痒疹を見られるのが嫌で夏でも長袖を着ていて肌が出せませんでした。着たい服があっても思うようにオシャレが出来なくて心の中で溜息ばかりでした。

その時は毎朝、起きると体と顔を掻き壊していて布団とパジャマが血まみれで肌が痛くて泣きそうでした。病院に行っても良くならずとても悩んでいました。

(良くなるきっかけと心の変化)

そんな時、たまたま本屋さんで日本アレルギー友の会の「患者だから分かるアトピー性皮膚炎」を見つけ購入しました。読んでいて自分と同じ様に悩んでいる人がいてとても励まされ、標準治療をきちんとしていけば良くなるんだと希望が持てました。

それでもまた何かの拍子に症状が悪くなってこのままステロイド外用薬を塗っていて大丈夫だろうかと思う時もありました。そんな時アトピー性皮膚炎の講演会で江藤先生のお話を聞いて自分が抱えていた不安が解消され標準治療をしっかりやって良くしていこうと思えました。

インターネットの情報などでステロイド外用薬を長年に渡り塗っている事が治りずらくしている原因と思い込んでいたのと漠然と副作用の事がとても気になっていましたが講演会に参加して自分と同じ様に長年ステロイド外用薬を使用して良くなっている方もいて希望が持てました。

日本アレルギー友の会でボランティアをしながら同じアトピー性皮膚炎の方達とお話しをするなかで、ステロイド外用薬の塗り方や使い分けなどを聞いてアドバイスをいただき励みになり、ためになる時もありました。

今は悪化しそうな時は早めにステロイド外用薬を塗るようにしています。放っておくと掻き壊しを繰り返し痒疹になり難治化していく事を体験して学んだからです。

今はしっかり標準治療をしたおかげで、痒疹も消えアトピー性皮膚炎の症状も落ち着き快適な日々を過ごしています。

肌 の状態が良くなるとなるべく維持しようと努力するようになりました。そこでストレスを溜める事も肌に良くないと思いジョギングをするなど自分なりのリフ レッシュ法を見つけました。嫌なことがあった時は自分なりにリフレッシュをしてストレスを解消していくことが大事だと思いました。アトピー性皮膚炎がなか なかよくならない時は自分の肌を見てはがっかりして気力を奪われてなかなかやる気がおきませんでしたが、今は標準治療をしっかりやって自分なりにストレス 解消を出来るようになって以前のようにアトピー性皮膚炎のことばかり考えて暗くなることもなくなり良かったと思います。

正しい情報と適切な治療法を理解してやっていれば難治化もせずもっと早く良くなっていたのになあと思います。良くなるきっかけを与えてくれた日本アレルギー友の会の活動や皆さんに感謝しています。

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