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日本アレルギー友の会創立50周年記念講演会お知らせ アレルギー疾患患者の未来を築く 患者・医療・社会の3つを結ぶ強い絆 2019年10月27日 日 13:00~16:30(12:30開場)アキバプラザ5階「アキバホール」 日本アレルギー友の会創立50周年記念講演会お知らせ アレルギー疾患患者の未来を築く 患者・医療・社会の3つを結ぶ強い絆 2019年10月27日 日 13:00~16:30(12:30開場)アキバプラザ5階「アキバホール」

アトピー体験記:間違った情報に振り回されて

幼少時からのアトピー性皮膚炎に悩まされ、体質改善をしようと飲み始めた健康食品で全身が悪化。ステロイドに対する強い恐怖心から治療を避けていたが、心配した夫が買ってきた本にアトピービジネスで悪化した人のことが書いてあり、自分の症状と一致することがわかった。紅皮症と診断され大学病院に入院して標準治療をして腫れあがっていた顔の症状も軽快。今はお子さんにも恵まれ、幸せな日々を送っています。

(埼玉県 N・Nさん / 29歳女性)

 

アトピー治療の模索

1才の頃よりアトピー性皮膚炎と診断され、除去食療法を行っている小児科に通い、薬も補助的に使用していました。その小児科では除去食が積極的な治療法で、薬での治療は消極的とされていたようです。

病院での治療を小学校3年生位まで続けていましたが、除去食の効果があまりなかった事と、ステロイドの副作用を心配した両親の考え―この先ずっと薬を使い続けることに対する不安、私が使用していたステロイド外用薬の副作用について新聞に批判が書いてあったこと等―から、病院に通うのをやめて、健康食品を飲んで体質改善をするという方法に変わりました。

その健康食品は私の友達の母親から勧められたもので、それを飲むことでからだの中に溜まっていたステロイドの毒素を外に排出する事が出来ると聞かされ、使い始めたようです。それはプルーンのエキスと大豆プロテイン・ビタミンCを水で混ぜたものを日に三度飲むというものでした。

健康食品による急激な悪化

健康食品の摂取を続けるうち、それまでの症状が一変し、劇的に悪化してゆきました。

からだ全体から膿や浸出液が大量に出てくるようになり、まぶたも開けられなくなるほどになってしまいました。それでも、「体の中に溜まっていたステロイドの毒が出ている」などと販売員に説得され、ひたすらガマンするしかありませんでした。

服も着られず歩くこともできないような状態だったので学校を半年間休学。

半年後にはなんとか通学できる程度にはなりましたが、相変わらず酷い状態が続きました。外見を気にして、いつもタイツを穿いていたのですが、それが浸出液とくっついてしまい、脱ぐのが痛くてトイレに行くことがとても辛かったのをよく憶えています。いまでもその頃の写真を見ると、暗い表情の自分が写っていて塞ぎこんでいた気分が蘇ります。

それでも、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら小学校を卒業する頃には普通の肌になっていきました。それと同時に経済的に負担が重すぎて購入できなくなっていた健康食品の摂取を止めました。

 中学から高校にかけては、ほぼ症状がなく、自分の中では辛かった過去を思い出したくない気持ちがあったようで、アトピーを意識する事はありませんでした。

治ったはずのアトピーの再発

その後、東京の学校に行くことになり一人暮らしを始めました。不規則な生活と外食ばかりという状況のなか、夏限定で部分的に湿疹が出てくるようになりました。

22才で就職、相変わらずの生活環境に仕事場のストレスも重なり、少しずつ症状が悪くなりだしました。

夏にだけ出来ていた湿疹が、冬まで治まらなくなり、仕事にも支障をきたす様になりました。仕事場の人達からは病院行きを勧められましたが、行く気にはなれませんでした。

他の病気であればすぐに病院に行っていたと思うのですが、アトピーの場合だけはどうしても行けなかったのです。理由は、小学生の時の一気に悪化した状態をステロイドのせいだと強く思い込んでしまっていたので、病院に行けばステロイドを処方されるものと思い、その事を恐れていたからです。

そして、ストレスを無くして休養していれば治るだろうと考え、25才で結婚したのを機に退職しました。

退職後、少しの間休養していたのですが治る気配もなく、病院にも行けずにいた為に不安感に襲われるようになりました。そこで昔のことを思い出し、今回も健康食品を飲んでみようと思ったのです。小学生の頃は健康食品のお陰で治ったのだと思い込んでいました。

それに今回はステロイドを使っていないのだから、昔のように酷くはならないだろうと軽く考えていたのです。

ステロイドに対する強い恐怖心

ですが予想に反し、アトピーの症状は昔と同じ様に一気に悪化し、普通の皮膚がどんどん無くなってゆきました。浸出液が大量に出ていたせいか、体重も減り、蒲団から出られなくなりました。

そんな私を傍で見ていた夫は、普通の病院に行く事を強く勧めていたのですが、頑なに拒む私を説得する事はできずにいました。また、アトピーという病気についてほとんど何も知らない状態だった為、私が病院に行かず、健康食品を摂取して悪化している時も最初は見守るしかなかったようです。

それでも、アトピーに関する本を何冊も買ってきて、私に読むように勧めてくれていました。夫も本を読み色々とアトピーについて勉強してくれていたようです。

アトピー性皮膚炎という病気がどういうものなのか、専門的に書かれている良い本ばかりでしたが、治療の方法がステロイドと書いてあると、それだけで信じられなくなってしまい、悪化し続ける状態は変わりませんでした。

アトピービジネスの存在

悪化し始めてから3カ月ほど経った頃、治る気配も無くますます悪くなっていく肌を見ているうちに、疑問が湧いてくるようになりました。

昔の悪化原因はステロイドを塗ったせいでなったものと思っていたけれど、今回はステロイドを塗っていなかったのに何故同じように悪化するのか?

悪化しているのは「好転反応」と言われ、体の中の悪いものが出ているから良い事だと言われていたが、悪いものって何だろう?

漠然とそんな疑問を持ちはじめた時に、一冊の本に出会い、考えが180度変わることになります。夫が買ってきてくれた本の中の『間違いだらけのアトピー治療』(竹原和彦著:新潮新書)という一冊です。

今まで読んだ本の中にはなかった「アトピービジネス」という言葉があり、そのページに書かれていた内容が、健康食品会社のやり方とピッタリ同じだったのです。本当に驚き、今まで信じていたものが全部デタラメだったんだと解り、憤りを感じました。

ステロイドの副作用が問題になりバッシングが激しくなった、と書いてある年代も私が小学生だった時期と重なっていました。

愛娘の蓮実ちゃんと.JPG

 

愛娘と一緒に

 

 

 

 

 

 

 

安心して治療できることの大切さ

ステロイドについての間違った認識も解けて、副作用や作用についても冷静に読めるようになり、恐怖心も消え、「早く普通に治療したい!」と思えるようにまでなりました。

実家に戻り、近所の大学病院を受診。

その頃は5月の暖かい時期だったのですが、私だけブルブルと震えるほど寒く、ダウンジャケットを着用し、歩くのも辛い状態でした。

受診した結果、紅皮症と診断されすぐに入院になりました。

「ステロイド外用薬をずっと使っていなかったので、まずは外用薬で治療してみて、効果が無ければ内服薬を考えます」と言われ、内服薬の副作用の強さについても説明してもらい、安心して治療に専念することが出来ました。

担当の先生に、私の年に比較的近い同性の先生をお願いしたのですが、そのおかげで何でも心置きなく聞けたのも良かったと思います。

外用薬と抗ヒスタミン薬と保湿の治療で驚くほど急速に良くなり、10日間で退院する事となりました。

掻きすぎて目の大きさが半分になりお岩さんみたいになっていた顔から、本来の自分の顔に戻った時は本当に嬉しかったです。

手や足もパンパンに腫れていたのが普通になり、埋もれていた結婚指輪がやっと見えるようになり安心しました。

標準的治療を実践して思うこと

退院してから2年と少しが経ち、現在、普段は保湿剤を使用するのみとなりました。

症状が悪くなる事もありますが、悪化した時は強い外用薬と抗ヒスタミン薬、良くなったら弱い外用薬、痒みが無くなれば保湿、とコントロールできるまでになりました。

アトピーと上手く付き合えるようになった今、健康食品で治そうとしていたあの頃の辛さは全く無意味なものではなかったかと思っています。痒みや痛みを耐える必要などなく、患者やその家族が少しでも楽になれるような治療が、一番良い治療なのだと実感しています。

退院して良くなってからは何でも出来るようになりました。

延ばしていた結婚式を挙げることが出来ましたし、新しい命を授かることも出来ました。    今年の10月には新しい家族が誕生します。

現在は充実した楽しい日々を送れてはいますが、あの時アトピーが酷いままだったらどうなっていたのだろう?と考えることがよくあります。もしも夫が正しい情報を与えてくれていなければ現在の私はないのかもしれません。それは本当に怖い事だと思います。

私は、誤った情報と思い込みで死にたくなるぐらい辛い状態にまでなりました。

間違った情報が無責任に溢れているせいで、アトピー患者が辛い目に合うことが許せません。

かつての私と同じように間違った情報で混乱し、苦しんでいる人が、正しい知識を得られ安心して治療できるようにと切に願っています。

 

 

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