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ぜんそく体験記:私のぜんそく歴

58歳でぜんそくを発症した稲葉さん、最初は専門医にかかることができずなかなか良くなることができませんでした。友の会の紹介で家の近くの専門医に通院するようになり、安心して治療をすることができるようになりました。吸入ステロイド薬での治療をはじめ、日常生活で心がけることや薬の使い方などを講演会などで自ら勉強することで良くなっていきました。

(東京都 稲葉 吉治 さん / 64歳男性)

 

≪最初は専門医でなかった≫

私は五十八歳の時、気管支喘息を発症しました。小さい頃、小児喘息だったのですが十歳以降は発作が起きなくなり、大人になってからは登山、長距離走等も出来るようになり喘息とは無縁になったと思っていました。

当時風邪を引いた後、咳が続き会社の診療所から薬をいくつかもらい飲んでいました。しかし咳が一向に収まらず、二週間程して喘鳴がするようになり、これは喘息ではないかと思いました。

インターネットの製薬メーカーのホームページで喘息の専門医を調べました。近くの総合病院が載っており、呼吸器科の看板も出ていたので受診しました。ところが呼吸器の医師は一人も居らず循環器の先生が見てくださいました。気管支拡張剤の吸入をしましたが、血中酸素濃度が改善されずステロイドの点滴をすることになりました。点滴をしているうちに息苦しさがすっと消えていきました。発作は中程度、全体的症状は軽症との診断で、フルタイド、テオドール、オノンを処方されました。この後半年喘息の症状は出なくなりますが、しばらくして、声が出にくくなりました。声涸れというより声を出すのに力が要るような感じでした。電話に出たときすぐ声が出なくて困りました。医師に相談するとイソジンを処方されました。しばらく使ってみましたが効果が感じられないので中止しました。インターネットで調べるとフルタイドは声涸れが起き易い薬品で、他の選択肢があるとの記事がありました。担当医師はとても人柄の良い方だったのですが、やはり専門の医師にお願いした方が良いのではとの考えに至りました。

≪アレルギー友の会より専門医を紹介≫

当時私は京都で生活をしていましたが、専門医を探すのに苦労しました。この頃日本アレルギー友の会のことを知り入会しました。友の会から認定医を紹介して戴きましたが、京都は呼吸器の専門医が少なく、適当な医療機関を見つかりませんでした。私の症状から考えると、咳が出始めた時、咳をコントロール出来ないでいると発作につながるという印象があり、日本咳嗽研究会に登録している医師が近くにいて、定年退職するまで約一年間治療をお願いしました。声涸れはフルタイドをパルミコートに変えて解決しました。

定年になって東京に帰った時は、友の会に照会して私の住んでいる昭島市に近い医療機関から探しました。喘息では調子を崩した時なるべく早く診察を受ける必要を感じていましたので、家から三十分ほどの距離のクリニックでお願いすることになり、以来四年半治療をお願いしていますが、大変慎重な先生で安心しています。 

≪症状と薬の推移≫

次に今までの症状と薬の推移を整理してみます。

発症後三回発作を起こしました。どれも三月でした。夏から冬は発作を起こしたことがありません。この時期は気温が暖かくなり始め温度差が大きくなることもあるかも知れません。風が南向きに変わり大気汚染物質が多摩地区に流れてくること、花粉、黄砂、光化学スモッグ等の空気中の微粒子に反応しているような気がしました。以来この時期は外出する時はマスクをするようにしています。

季節にかかわらず風邪を引いた時は早めに対処しないと咳が出てピークフロー値が低下し易いので気を付けています。引き始めで熱があるときは葛根湯が良いようです。大根生姜湯も良く飲みます。咳が出るときは蓮根生姜湯を飲みます。節蓮根、黒豆の煮汁も良いようです。その他の民間療法もいろいろ試していますが効果は個人差があるようです。しかしピークフロー値が十%より下がり始めたらやせ我慢をしないで主治医の所へ行き、去痰剤、抗生剤等必要な薬を処方してもらいます。

 次に薬ですが、ステロイドの吸入薬は始めのフルタイドからパルミコートになり、現在の医師に代わったところでオルベスコになりました。スパイロメーターの検査で気管支の先の細い所が狭くなっているので、オルベスコを選択したようです。転んで肋骨を骨折しことがあります。ピークフローの測定をすると胸が痛く、三日位すると測定が出来なくなりました。吸入は続けていましたが充分な量の吸入が出来なかったのでしょう。一週間ほど息苦しい状態が続きましたが、胸の痛みがなくなると回復しました。この時、吸入ステロイドの効果を実感しました。

 気管支拡張剤は二番目の医師に変わった時からセレベントを使っています。テオドールは早朝の発作を抑えるために使われるようですが、私の場合早朝に症状が出ることがないので、二年前から服用をやめました。オノンも始めから服用していましたが、効いていないようなのでやめました。

現在の薬の服用量(一日)はオルベスコ八百マイクログラム、セレベント百マイクログラムです。幸いこの三年間は発作がなくて済んでいます。

以降は日頃気をつけている事について述べます。医師の投薬や生活の指導はきちんと守るのは当然ですが、治療を効果的にするためにも、日頃の生活に気をつけ、症状を悪化させないよう注意するのは患者の義務だと考えます。体力を向上させ、免疫力を高めるように心がけています。 

≪日常生活での心がけ≫

(1)食事 食材はバランスよく取るように心がけています。注意しているのは、化学薬品を使っているものは、避けるようにしています。日本人は一年間に四キログラム(一日十一グラム)の食品添加物を摂っているというデータがあります。化学薬品はガンだけでなく、アレルギーの原因になっているとの報告もあります。化学薬品の害、季節はずれの食品、輸入食品の問題(特に穀物、果物等のポストハーヴェストの害)は無視できないと考えます。添加物の少ないもの、出来れば国産の物を使うように心がけています。

 咳、痰には白木耳、百合根、杏仁が良いと薬膳で言われるので摂るよう勤めています。

 食事の摂りかたですが、夕食を遅い時間に沢山食べるのは、呼吸が苦しくなるので喘息にはよくないように感じます。昼食はしっかり摂りますが朝食、夕食は軽く済ませます。夕食は出来るだけ寝る三時間前までに済ませるように心がけています。

(2)運動 心肺機能の向上には、有酸素運動が良いとされているので時間があるときは近くのジムへ行きランニング、バイクこぎ、水泳等をしてなるべく身体を動かすように心がけています。たまには奥多摩の山歩きをするようにしています。機械トレーニングのような無酸素運動は頑張ると、息苦しさを感じることがあるので、控えめにして無理をしないように気をつけています。

(3)呼吸 咳がコントロールできないと発作になっていくように感じていました。以前咳が多発していた時、お寺で座禅をしていると咳が出なくなったことがありました。座禅では一呼吸十五~二十秒かけてゆっくりと呼吸するように指導されます。その後何回か同じような経験をしましたが、ゆっくりとした深呼吸が咳を鎮めてくれるように感じます。それ以来咳が続く時は勤めてゆっくりと深呼吸をするよう勤めています。座禅でなくても、ヨーガ等の瞑想、腹式呼吸、丹田呼吸等のゆっくりとした深い呼吸であれば良いと思います。咳への対処法としてお勧めです。但し咳だけでなく痰がでるような時は、呼吸法では無理なので診察を受けた方が良いと思います。 

≪患者交流会・講演会に参加して勉強≫

友の会の方々には大変お世話になりました。特に専門医を選びたい時には、友の会や日本アレルギー協会の認定医のリストは大変役に立ちました。

患者交流会では、管理薬剤師の方を招いて喘息の吸入薬についての勉強会が大変勉強になりました。薬局では一応説明をしてくれますが、詳しい説明はしてくれません。ステロイドの吸入薬のオルベスコは説明書に「ゆっくり」吸うように書かれています。以前フルタイドの時は一秒以下で吸っていましたが、オルベスコではゆっくりのつもりで三秒位で吸っていました。今では十秒位かけて本当にゆっくり吸っています。

講演会もなるべく参加するようにしています。専門医の講演も大変勉強になりますが、質疑応答で他の人の質問が私にも当てはまることが多く参考になります。

友の会の方々の地道な活動に感謝いたします。

 

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