Progress in Medicine 12号 (㈱ライフ・サイエンス発行)
「特集 皮膚領域の外用療法を見直す」に寄稿
医師向け専門誌「Progress in Medicine」の特集「皮膚領域の外用療法を見直す」に「患者の立場から―患者のモチベーションを高める外用指導―」というタイトルで寄稿しました。これは当会顧問のNTT東日本関東病院皮膚科部長の五十嵐敦之先生からのご依頼によるものです。医師・看護師・薬剤師・患者、それぞれの立場から外用療法の患者指導について執筆したもので、そのうち患者の立場からの部分を書かせていただきました。皮膚科でご高名な先生方とともに載せていただき大変光栄なことです。
内容は当会の療養相談からわかる患者の外用薬対しての意識や医師にご指導いただきたい事項について書いたものです。
●患者の外用薬に対する意識
・基本的にはなにも塗りたくない
・ステロイド外用薬に対しての患者の思い
・「脱ステロイド」になる経緯
●外用指導のポイント
・処方薬の使い方の指導(ステロイド外用薬)
・処方薬の使い方の指導(タクロリムス軟膏)
●治療の意味や治療計画を具体的に伝える
●医師への信頼感と安心感
このような内容について具体的に皮膚科医に指導いただきたいことを書きました。
当会の療養相談にはアトピー性皮膚炎がコントロールできずに悩んでいる方からの悲痛な声が寄せられてきます。ステロイド外用薬への不安により使い方が適切でない場合が多く、そのような方々は主治医とのコミュニケーションが不足していることを感じていました。そのような方々へ診察の受け方、先生への質問の仕方などを説明し、患者側からも積極的に治療に関わっていくことにより良くなるというアドバイスを行なっています。
患者側からの積極的なアプローチと医師からの適切な指導が合ったとき、アトピー性皮膚炎の治療効果は向上するものだと思います。医師へ患者の声を届けることで「患者と医師とを結びつける」という当会の使命を今回果たすことができたのではないかと思います。