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第95回講演会「新薬への期待と展望」開催

去る2023年11月12日(日)、東京・神田のワイム会議室にて、「新薬への期待と展望」をテーマに、日本アレルギー友の会の第95回講演会が開催されました。会場参加及びZoomによるオンラインのハイブリッドで実施され、開催後の動画配信も受け付けた結果、全国から200名を超える方々から申込があり、関心の高さがうかがえました。講演会では3名の専門家の先生にご登壇いただき、興味深いお話を拝聴することができました。

 

<第1部 講演>

【アトピー性皮膚炎】
最初に「アトピー性皮膚炎の治療薬の整理とこれからの治療の展望」と題し、獨協医科大学医学部皮膚科学講座主任教授の井川健先生にご講演いただきました。
従来からある外用ステロイド薬、そのあと登場した外用免疫抑制薬のそれぞれの長所と短所を整理した説明があり、同じような症状であっても、その背景(要因)は患者によって違う(人種の違い、同じ人でも年齢によって違うなど)多彩な疾患であること、炎症のメカニズムについて細胞レベルの研究が進んでいること、それに対応する生物学的製剤、小分子化合物(JAK阻害薬、PDE4阻害薬)といった新治療薬の効能や課題点などの解説があり、最新の研究成果を知ることができました。

 

【小児アレルギー】
続いて、「小児アレルギーのトピックス2023」をテーマに、東京慈恵会医科大学付属第三病院小児科教授の勝沼俊雄先生にご登壇いただきました。
「アレルギー発症予防」「保湿剤のエビデンス」「喘息の最新治療」「アトピー性皮膚炎の最新治療」「食物アレルギーと免疫療法」の5つについて解説があり、アレルギー発症予防に新生児期からの保湿剤外用は一概に勧められないことや食物アレルギーにおいて少しずつアレルゲンの食べ物を摂取する経口免疫療法は現在では推奨されておらず、安全性を高める工夫が必要であることなどのお話で意外な事実を知ることができ、今までの古い認識を改めることができました。

 

【喘息】
最後に、「喘息治療 薬物治療の前に知っておくべきこと」と題し、東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科教授の松瀬厚人先生よりお話をいただきました。
 ご自身が関わった患者の様々なエピソードの紹介があり、症状は喘息と変わらないが、食物の誤嚥、うっ血性心不全といった別の要因であったこと、アルコール分解できなくて顔が赤くなる人はアセトアルデヒドからヒスタミンが作られ、気管支を収縮することから飲酒で発症する例があること、結婚したら精神の安定を得られ症状が改善した例があったことなど、ユニークな語り口で楽しく拝聴することができました。薬物治療の前に、本当にその症状が喘息なのか、避けられる誘因は避けているか、心理・社会的安定を図っているかといったことに着目することが重要であり、薬物だけに頼らないトータルケアが必要であることが理解できました。

 

<第2部 Q&A>
後半は、事前に参加者から寄せられた質問に専門家がお答えするQ&Aを行いました。患者として日頃から疑問に思っている点や症状として心配な点、投薬に関することなど、実に様々な質問が寄せられましたが、講師3人に加え当会常任顧問の3人の先生にも加わっていただき、回答をローテーションする形で次々に答えていただきました。
ぜんそくやアトピー性皮膚炎の患者ご本人以外に、小さなお子さんを持つ親からと思われる質問が散見され、小児のアレルギーが注目されていることが実感できました。

第2部のQ&Aの回答・進行をしてくださった講師・常任顧問の先生方

 

今回の講演内容とQ&Aは順次本紙に掲載していきます。また、講演会動画配信の希望も受け付けていますので、事務局(info@j-allergy.or.jp)までご連絡いただければ視聴できるURLをお送り思います。

 

最後に講師・常任顧問の先生方と当会スタッフで

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