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食物アレルギー体験記:食物アレルギー児が直面する社会での孤立

『食物アレルギー児が直面する社会での孤立』

愛知県 M.K(42歳)

 

【幼稚園・保育園への壁】

今年4歳になる息子は、離乳食開始時から「小麦・卵・大麦」に重度のアレルギーがある事が分り、3歳になるまで醤油はじめ完全除去生活をしておりました。

そんな私たちが実際に直面した体験をお話しさせて頂きたいと思います。

 

当時、主治医の先生のご判断により、アレルゲンに触れる事も負荷試験を実施する事も出来なかった為、集団生活間近にも関わらず、息子の許容範囲すら私は知らずにいました。

併せて、コロナ禍で同世代の子と遊ぶ機会すら無く育ててしまっていた為、理想は「お友達と目一杯遊ぶ環境をあげたい」反面「先々、負荷試験が出来て、少しでも症状が良くなるまで集団生活を諦めた方が良いのか?」葛藤の日々でした。主治医に相談するも、症状があまりに重い為、“方針は変わらず”。いよいよ幼稚園探しの時期が来ました。

我が家は、悩んだ末に息子と離れる時間が短い“幼稚園”を希望しました。おやつが無い分、「食べる」と言う回数が少ない事が理由です。ですが、この選択が壁にぶつかる原因になりました。

 

覚悟は当然していましたが、住んでいる区内の幼稚園は「入園拒否」はもちろん。問い合わせの際は前向きに話して下さるものの、実際に園に伺うと「他の子とアレルゲンを間違えられていた」事も。または、「皆が給食の中、机を離して一人お弁当を食べる事になります」など、私は途中から問い合わせをする事すら怖くなりました。そんな中、保健所に相談に行きましたが現実は厳しかった。第一に幼稚園は個人企業だから、自治体は関与出来ないと言う事。保育園はママをサポートするのが目的で全く別物である事。幼稚園を望むのであれば、入園も入園後も自力のみという事。知らない事がたくさんでした。

 

不思議と泣きながら帰った事を覚えてます。

それでも息子を守れるのはママだ!と。気持ち切り替え、送り迎えを覚悟で市内全域に拡大し、がむしゃらに幼稚園を探しました。

おかげで「7大アレルゲン対応給食」を提供し、熱心なアレルギー対応に力を入れて下さっている素晴らしい幼稚園に出会い、息子も面接を頑張った結果、無事入園!今は安心して登園しております。

 

【経験から望む事】

入園が決まった後、少しでしたがさまざまな園のお話しを思い出し「預かる側の限界」を知る事で、「医療連携型の幼稚園(保育園)」があったらと思うようになりました。院内に幼稚園等を設ける、あるいは大きな病院の協力の下、現地ですぐに処置ができ、かつスキンケア等の管理もでき、かかりつけさえも兼ねる。そんな幼稚園があったらと。小さな子ほど症状が重い。エピペンを持てない。コロナで救急車がすぐに来れない、ママがすぐに駆けつけられない。多分にあるからこそ、1分1秒を争う事態に、社会整備の必要さを感じました。危機を体感した私は、とにかく子供達を守って欲しい一心から、わらにもすがる思いで、面識すらないある方に、お手紙をさせて頂きました。地元愛知県出身の国会議員の先生です。

 

祈るような思いで出したお手紙に奇跡が起き、先生からお話しの機会を頂け。ママとしての思いに熱心に耳を傾けて下さるだけでなく、市内の現状を自ら確認把握して下さった行動力に、先生の市民に対する熱い姿勢にとても感銘を受けました。同時に、未来が明るくなる気さえ感じました。

 

【最後に】

遠回りは多々ありましたが、手を差し伸べて下さる方々がいて出会えた事、それが今幼稚園との折衝に役立っている事。紛れもない事実です。これからも、真摯に息子のアレルギーと向き合っていきたいと思っております。

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