あおぞら 2012年12月 第493号(内容紹介) 一面概要
ぜんそく・アトピー性皮膚炎 患者実態調査集計結果
2010年のホームページリニューアルした際に、患者へのアンケートをホームページ上で実施できるようにしました。会員のみならず、一般の方からのご意見に、今の患者の実態が見えてきました。患者の生の声を反映する集計結果ができましたので、一部をご紹介いたします。
<喘息アンケート>
吸入ステロイド薬を使ってコントロールできている。
1 吸入ステロイドを使っていますか
使っている 68%
ときどき使っている 20%
使っていない 7%
病歴は様々ですが、88%の方が吸入ステロイドを使用しており、普及が進んでいることがわかります。
2 自己管理ができていますか
できている 30%
まあまあできている 43%
できていない 23%
73%の方が、自己管理(喘息をコントロールすること)ができていると答えていますが、23%の方ができてないと答えているところが気になります。
3 ご自身で工夫されていること(自由回答)
- 自分で予感がするので、薬を常備していれば十分コントロールできる。
- 風邪をひかないように、うがい・手洗いを徹底している。
- 主治医が変わって色々なことを相談しにくいが、どうしても聞きたいことはメモに書いて喘息日誌にはさんで出している。
4 不安なことは(自由回答)
- 一生この苦しい状態が続くのかどうか。結婚は未だしも子供を産む自信がない。犬が好きなのに飼えないのが不満。せめて人並みに暮らしたい。
- 自分の主治医がいないこと。子どもたちが診ていただいている小児科のドクターにしか私の苦しさをわかってもらえませんでした。
(まとめ)
吸入ステロイド薬の普及により、コントロールされている人が多くなってきましたが、ステロイド吸入薬を使っても症状が変わらないという方が20%いるということは、吸入の仕方になどにも問題があるのではないかと思いました。
<アトピー性皮膚炎アンケート>
ステロイド外用薬を不安に持ちながら使っている。
1 ステロイド外用薬は使っていますか
はい 68%
いいえ 27%
2 ステロイド外用薬の使用について
安心して使っている 28%
特に不安なく使っている 11%
不安があるので少なく使っている 15%
不安はあるが悪化するので仕方なく使っている 30%
不安を持ちながらも少なく・仕方なく使っている患者の実態があり、症状が改善しない原因になっているのではないかと思います。
3 自分がアトピー性皮膚炎であることの思い(自由回答)
- 気力に欠け、常にだるくて思うように動けない。外出したくない。
- 衣服や寝具、部屋が汚れるのが困る。
- 何がいいのか、わからない。
- 人目を気にしてしまうのがいやだ。
- 痒くて痒くて本当に気が狂いそうなくらい痒い。
- もういやだ。治ってきれいになりたい。
- いつまでこの生活が続くのか考えるとすべてを終わらせたくなる。
- 間違ったステロイドの塗り方をしていると言うが、それを教えたのは皮膚科である。
- 仕事で人前に立つのがつらく、自分は汚いと思う。
- 死にたいと思うことがある。
- 人生が楽しくない。
- 脱ステなんてボケナスな事を言うヤツがいなければ俺の人生はバラ色だったろうに。
- アトピーさえなければ。
(まとめ)
ホームページ上なので脱ステロイドをやっている人からの回答も入っているのもあり、アトピー性皮膚炎患者の悲痛な声が伝わってきます。標準治療を普及し、患者がステロイド外用薬を安心して使うことにより、症状の改善をしていけるようにするのが課題だと思います。