【講演会に参加してみて(第一部 講演)】
当日、私はボランティアスタッフとして参加しました。開場までの間、既存のスタッフの方と会話をし、今までの治療経験や日本アレルギー友の会に救われた話を聞きながら、とてもリラックスした雰囲気で着々と準備が進んでいきました。
それまで笑顔で談笑していた専門医の方もスタッフの方も真剣な表情になり、いよいよ講演が始まりました。医療用語も飛び交い、少し理解するのに難しいかなと思う時もありましたが、補足を交えながら講演を進めてくださり、講演内容はしっかりと頭に入ってきました。
複数の疾患に関して同時に聞くことができるという点は、やはりとても勉強になりました。私はアトピー患者として申し込みましたが、アトピーと喘息や食物アレルギー、鼻炎の4つの疾患は必ずしも併発するものではないものの、併発する可能性が高いにも関わらず、病院では科が異なります。そのため、一般患者としては4つの疾患の情報を収集して繋げ、考え、理解することが難しかったので、4つの疾患を横に並べて専門医の方の話を聞くことで、頭の中の点が少しずつ線で結ばれていくような感覚がありました。また、治療方法の中には、アトピー性皮膚炎と喘息治療の両方で使われている薬があることも知り、漠然と喘息の併発を今後するのではないかと恐れていた私にとっては、とても安心する情報を得られました。
【講演会に参加してみて(第二部 Q&A)】
講演会も後半にさしかかり、楽しみにしていたQ&Aの時間になりました。今まで私が通院してきた病院では、質問をしにくく、不安も打ち明けにくいと思うことがありました。今回寄せられた質問集では、いつまでこの薬を使えば良いのか、効き目を感じなくなることがあるのかなど、私が病院で聞きたかった質問と同じような内容もありました。逆に、自分が思いつかないような他の方の質問もとても勉強となりました。専門医の方の回答も、必要に応じて科を跨いで答えてくださり、このやりとりはここでしか見られない光景だと思いました。
講演会とQ&Aも終わってみると、講演内容にもなんとかついていくことができたという感覚があり、アカデミック的な意味でもとても満足のいく内容でした。

【講演会会場の雰囲気】
当日は、オンラインの参加の方にもしっかりと情報を届けられるよう、多くの機材を配置していましたが、私は次回も現地参加をしたいと思っています。たしかに情報量という点では、オンラインでも問題ありません。しかし、専門医の方の講演を同じ空間で聞き、それを一緒に聞く仲間がいるという雰囲気が、私をとても前向きにしてくれたからです。他の参加された方が私と同じ気持ちかはわかりませんが、入室時には緊張していた方も、帰りはどこかスッキリしたような表情になっているように見えました。
また、オンライン参加の人数について印象的だったのは、各専門医の方の講演終了後も参加人数は減らず、ほぼ同じ人数の方がQ&Aにも参加していたことです。やはり、私同様Q&Aに多くの時間を割いていることに魅力を感じて申し込みしている方が多いのだろうと思いました。
【全体を通しての感想】
55周年記念講演ということもあり、当日は講演が始まる前に顕彰式も執り行われました。受賞者の方を見ていると、専門医の方をはじめ多くのボランティアスタッフも受賞していました。受賞しているスタッフの方が、患者として自分の身体と向き合い、さらに他の患者様を支えることもしている姿にとても刺激を受けました。

また、講演会では専門医の方の話を生で聞くことができる臨場感や、集められた質問に対して真剣に答えてくださる姿がとても印象的でした。日本アレルギー友の会は、自分の疾患の治療に対して受け身ではなく、積極的に向き合う知識がつく場所だと思っていましたが、知識面でも患者同士の交流という面でも予想を遥かに超える環境で、正直驚きました。また、専門医の先生方が所属している会なので、この情報過多の現代社会において、とても貴重な会だと改めて思いました。
(レポート:米澤)
★講演録はあおぞら3月号にて掲載いたします。