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ぜんそく体験記:喘息のお子さんがいたら知って欲しいこと

ぜんそくのお子様がいるお母さまの体験談です。同じ立場で悩んでいらっしゃる保護者の方に向けて寄稿して下さいました。

広島県 HS

我が家の16歳の娘は喘息で小児慢性疾患の認定を受けています。

今回は、この子の今までの経過について述べたいと思います。

ここに体験記を載せて貰おうと決めた理由は、第一に、母の私がもっと適切な対応をしていたら今も苦しむことはなかったかも、という気持ち、そして、子ども本人の身体的・精神的「苦しさ」を分かってあげられなかった、という後悔から。

また、それを同じ様に喘息などで苦しむ、まだ小さなお子さんの保護者の方に聞いてもらい、経験知として知って欲しい為です。

 

治療に前向きになれなかった発症当初

娘は4歳の時、急に「息が苦しい」と言い始めたので、近くの医院に連れて行きました。

その時はまだ、「そこまで深刻ではない」、「薬ではなく自然な治療で大丈夫」と捉えて、治療を前向きに考えていませんでした。

本格的なステロイド治療にマイナスなことばかりに目が行っていたのが一番の理由でした。しかし、子どもの体はそれどころではなかったのです。

小学校に入学してからも、夜苦しくて眠れない、という事もしばしばで、酷い時は基本、抱っこで寝ていました。夜間救急に行った事もありました。

友だちが「鬼ごっこしよう」と言っても、一緒に登下校する友だちが走り出しても、学校の体育の授業で長距離走があっても一緒に走る事も、「苦しいから出来ない」と言う事も出来ないでいた印象です。本人にとって伝える事は悔しく、かかりつけ医の先生いわく、「苦しいのに馴れてこれが当たり前だと思っている」から口に出せなかったのかも知れません。

ステロイド吸入はしてはいたのですが、低学年位までは、スペーサーを使っても恐らく完全には吸えていなかったのだろうと推測します。その時点でもっと医療機関と相談すべきだったと今は思います。

 

アレルギー専門医を受診して本格的治療へ

そんな状況を見るに見兼ねた夫がアレルギー専門医でもある小児科の先生を受診するように強くすすめ、本格的な治療を始めました。4年生でした。それから、中学校に入学するまでは他の子と変わらず動けていました。

中学校では、部活に習い事、塾と忙しい日々が始まり、夏前に恐らく熱中症からかダウンしてしまい、その症状がなかなか治らず、喘息症状も酷くなってしまいました。体が一杯いっぱいで、翌朝、息が止まっていないか、と思う日が続きました。

その状態が2年程続き、現在は、掛かりつけの先生の治療のお陰もあり、なんとか落ちついて過ごせる様になっています。

発作の起こる環境要因に対し、自分で対処法を工夫

今でも、気道は過敏で、「急な」環境変化に弱く、周囲の様々な環境要因で発作が起こります。

煙草の煙はもちろん、制汗剤、虫除けスプレー、また、鎮痛剤のハップ剤(成分は勿論ですが)などの清涼感のある香りは苦しくなるそうです。リップクリームなど自分が使いたい物もミント系の香りは使えません。また、酷い時は浴室に入っても温度・湿度変化などで起こっている様です。花火・夏の蚊取り線香の煙がダメなのに、私は結構長い間使っていました。

発作時は椅子に座っている時の姿勢も悪く、「ちゃんと座りなさい」と何度も言ってきましたが、実は「こうしておいた方が、息が楽」とだいぶ大きくなってから聞きました。

最近、「くしゃみの仕方を工夫している」と話していました。この年齢になって初耳でした。くしゃみで苦しくなっていたのを私はずっと知りませんでした。

他には、ずっと気温差に弱く、クーラーを付ける季節は特に敏感になります。

学校の教室にもクーラーが付くのが当たり前になっています。先生に伝えはしましたが、クーラーの使用状況を聞く限りでは配慮が難しいのかなという印象です。スーパーなどに買い物に行くのも避けています。室温だけの問題ではなく、「急に」冷気が当たる事が一番辛いのです。

 

苦しさを伝えられない子に配慮を

それで、一つ、周りの方に耳を傾けていただきたい事があります。

もし、本人から聞いていなくても、喘息持ちのお子さんがいたら、ちょっと知って欲しい事があります。息がしづらいと言っていなくても、また、本人が気付いてなくても、もしかしたら息苦しい時があるかも知れないという事を。

私も本人に、周りに伝える様に常々言っていますが、なかなか本人の口から言うのはまだ10代というのもあり難しいところもあるようです。周りの目も気になり、上手く伝えられない、本人も気付かないという事があるかも知れません。

  もっと、辛い体調のお子さんも世の中にはたくさんいらっしゃるとは存じますが、この体験記が、なかなかその場で「辛い」ということばを発せられない、喘息持ちのお子さんの一助となったら幸いです。

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