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アトピー性皮膚炎の体験談

アトピーを越えて。
自分らしく生きるために。

 良くなったり悪くなったりを繰り返すアトピー性皮膚炎。治療に不安を持ったり、長期間にわたる治療にモチベーションが下がったりしている方も多いと思います。

  1. 治療をすることで何ができるのだろう?
  2. アトピー性皮膚炎を持ちながらどのようなことができるのだろう?

 このような疑問を持つ方に、アトピー患者の先輩からのメッセージをお届けします。これをヒントに皆さんもご自身の人生を「自分らしく生きるために」どのようにしていったらよいか、考えてみていただけると良いと思います。(丸山)

アグレッシブな人生のチャレンジ!
~わたしらしく生きる~

荻野美和子

●念願のエアロビクスインストラクター●

 「5.6.7.8…let’s go!」インカム付けて、パワフルに声出してダンス!現在わたしはエアロビクスインストラクターをしています。エアロビクスは、新社会人の時やりたかった仕事で、狭き門であるフィットネスクラブの内定をもらい、いざ就職!と思った矢先、夢半ばに諦めた仕事でした。あれから13年、その夢が実り始めています。

 その夢をつぶしてしまった原因こそがアトピー性皮膚炎。プロトピック軟膏もすでに発売され、確立された治療があるのにもかかわらず、”ステロイドは危険”という、地に足の着かない情報を信じ込み、漢方治療を開始しました。その後5年半もの地獄生活が待っているとは知らず…。

●魔法の入院?●

 仕事や恋愛、おしゃれなど人生を一番満喫できるであろう20代に、わたしは人目を反らし、ただれた皮膚が見えないように、夏でも長そでを着るような日々を送る毎日。(正しいアトピーの治療を知らないだけで)精神的にもどん底に落ちたわたしは、親戚の叔母に連れて行かれるがままに皮膚科へ。そこは何も特別な治療ではなく、ステロイド外用薬を用いた標準治療でした。新たな治療を探す気力もないので医師に言われ入院。入院中は症状に合った薬を塗布する。ただこれだけ、いわばお勉強入院です。日に日にかゆみのなくなっていく皮膚。同時にステロイド恐怖へのマインドコントロールは解かれていきました。退院する8日後には、赤身の引いた皮膚に戻りました。いいえ「戻る」というのは、嘘かもしれません。傷の少ない綺麗な皮膚がわたしの体を覆っている、生まれて初めての感覚でした。

●イキイキと生きる!●

 女性は肌がきれいなるだけで、とても欲張りになるものです。好きな香りのお化粧をし、アフター5は職場の人と飲み会、夜の東京は落ちているゴミでさえキラキラ輝いて見えました。そして、男性とお付き合いして数年後結婚。今はふたりの子どもに恵まれています。2歳差なので、双子を育てているようなあわただしい毎日で、すっかりどん底を生きた過去を忘れてしまっています。

 アトピーが良くなってからは、結婚と子育てのほかさらに、エアロビクス講師のチャレンジ。これからもその年齢に合ったチャレンジをしていき、常に楽しい人生を送りたいと願っています。アトピーに翻弄されていた時代は、アトピーが生活の真ん中にいたように思います。アトピーでもこれはできる、アトピーだからこれはできないとか。でもそうではありません。

 正しいアトピー治療の知識を持つことで、当会のスローガン「アトピーを越えて自分らしく生きる」が実現するのだと確信しています。

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かゆみを気にせず普通に過ごせる毎日にする為に

有岡貴士

 脱ステロイドから標準治療に切り替えて9年。体験談を寄稿してから約2年。もうそんなに時間がたつのか、と思う程かなり皮膚の状態が良くなりました。今の治療では、かゆみを完全に断ち切る事が出来ないので、毎日の経験とその日の気象などを見ながら、塗る薬を決め、いかにして良い状態を維持するかに腐心しています。

 標準治療を始めてから約7年は治りが悪い時期があり、軟膏を塗るのが嫌になる事もありました。特にプロトピックはステロイドよりも副作用が出やすいので「外用で使いたくない薬」でしたが、ようやくプロトピックを塗るようなったのは、塗る方法を独自に考案してからでした。それ以降は状態も良くなり、今では汗をかいてもかゆみがほぼ抑制されるまでに良くなりました。

 生活の大半を過ごす仕事においては、出来る限り身体に悪影響が出ない様にしています。それでも9年も仕事をしていると、身体を壊す事もありました。頻繁に環境が変わったり、激務や徹夜もザラでした。傷がひどい時には独断で一時的にデルモベートを仕事中に塗ったり、何度も身体を壊して、全く気力をなくした時期がありました。病気と戦い、煩わしくても渋々と薬を塗る・飲む、ですので正直しんどかったですね。ではどうやってそれを乗り越えたのかというと、家族だけでなく友の会にて同じ様な病気を持つ友人や知り合いと悩みを共有出来たのも一因だと思います。

 土曜に仕事がない時は、友の会にて主にIT技術支援などをしています。その他では、講演会チラシの制作をこれまで4回、展示用パネルを1回制作しました。毎回何を描こうか悩みますが、確実に自分の作品が世の中に出るので、良い勉強になります。

 職場の方も、何だかんだ言っても上司と相談の上で、配転など対応をしてもらい、今では良い仕事に巡りあえた事、ある程度人にも恵まれて、継続して勤められているので、それなりに良かったと思っています。

 やる気が回復してきてからは、自分は何をしたいのか自問し続けました。社会人サークルに参加したり、友人と情報交換をしながら、昨年秋から始まった交流サービスを見つけて「これだ!」と思い、参加するようになりました。そこで同人ゲームの開発に参加したり、懇親会等で新しい出会いが増えました。最近では講演会のチラシや運営の経験を活かし、開発した同人ゲームの宣伝用チラシを作ったり、交流会の幹事もしています。今までの経験に無駄はないと改めて思いました。これからも充実した生活が送れるようにしたいと思います。

 治療は人生の最終目標ではない、通過点である。最後にこの記事を読んで頂き、少しでもお役に立てば幸いです。

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たくさんの幸せを味わう

大橋由紀

 私は十代の後半から二十代前半くらいにかけてアトピーの症状が酷く、特に顔面から首にかけてが真っ赤になり浸出液も止まらず、自暴自棄かつ暗い思春期を過ごしてきました。

 現在は三十代半ばですが、見た目には殆どアトピーとわからず、生活に支障が出ない程度に回復しています。ここまで回復できたのは、昔に比べてプロトピックなどいい薬が出てきた事もありまずが、根本から治そうと躍起にならなかったのがよかったのだと思います。漢方にも通った事がありますが、通院中に先生が病死してしまい、先生が自分の病気も治せないで死んでしまうのでは漢方の効果はいかがなものかと疑いを持ってしまい、元々無精者だった事もあってそれ以来保険適用外の漢方には行ってません。

 結局、自分が無理をしないでできる治療が一番効果的なのだと思います。普通の皮膚科に行って薬を貰って塗る。一生医者に通い続けなければいけないのかと憂鬱になるかもしれませんが、医者に行って薬を貰って塗ったら普通の生活ができるのなら、根本治療など難しい事を頑張るよりこっちの方が気楽です。

 症状が落ち着いた事もあり、近年は比較的アクティブに活動しています。野外フェスに行ったりライブに行ったり、時々ですが仕事終わりに友人と食事やカフェに行ったりしています。

 先日は初めて立ち呑み屋に行きました。立ち呑み屋は狭いのですが値段も安く、活気がありました。通常立ち呑みはさくっと呑んで早めに店を出るのがオツなのでしょうが、その日私と友人は三時間近く店にいました。通勤電車の小一時間でさえ立っているのが辛いというのに、この長さは正気の沙汰とは思えません。きっと店の活気に呑まれて時間を忘れてしまったのでしょう。友人と話をしている間、ふと我に返ると自分も社会の風景の中の一員になれている気がして幸福でした。昔、症状の酷い頃だったら、狭いお店の中で知らない人の傍に三時間近くいるというのは苦行だったでしょう。しかし今は症状がかなり良くなりましたし、そもそも誰も人の顔なんて見ていない事を知りました。それでももしも何かを言われたら、倍返しにしてやろうという気概も生まれました(笑)

 これからも地味にですが、色々な場所に行って幸福を味わおうと思います。

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かゆいときには掻いちまえ

田口裕之

「ふう、たまんねえなぁ、この痒み。」

 夜、仕事から帰ってくると、誰も見ていないのをいいことに、遠慮なく全身を掻きむしり、「あーあ、またやっちゃった。」と後悔しつつ、床に散らばった鱗屑(りんせつ)(はがれ落ちた皮膚のくず)をホウキとちりとりで片付けたあと、徐ろにお風呂に入りながら「うー、今日もしみるねぇ」…

 28歳のとき、突然アトピー性皮膚炎を発症して以来、もう15年以上も同じような生活を続けています。これまでに症状が出た所は、頭皮、顔、首、腕、手、指、お尻、太腿、膝、脛、足首、足の指と体中のあらゆる部位に及んでいます。数年前からは目と耳の中にまで出てきました。

 最初は痒みと痛みに呻き、出血に驚き、およそ人間の皮膚とは思えないほど真っ赤に変色した肌を目の当たりにして、「一体俺の体はどうなっちまうんだ?」と落ち込んだ時もありました。しかし、人生割り切ることが肝要です。

 アトピーは完治するような病気ではなく、症状を抑えながらいかに上手くつき合っていくかがポイントです。私の場合、前述のように痒いときはガマンせずに掻いて、後でしっかり薬を塗ってコントロールするというやり方で乗り切っています。お風呂のあと、保湿剤を全身に塗り、症状のひどい所は強めのステロイド、軽い所は弱めのステロイド、顔はプロトピックと使い分け、これで朝になるとけっこう治まっています。なるべく早く家を出てラッシュに揉まれないようにし、仕事も集中して取り組めば、意外と痒みも忘れることができます。(上司に面倒な仕事を言い渡されたときは無意識に腕を掻いていますが…)集中力を切らさないようにしてなるべく時間内に仕事を片付け、早く退勤すればそれだけストレスも軽くできます。

 ステロイドの副作用で赤い糸ミミズのような毛細血管が皮膚に浮き出てきたこともありましたが、最近では消えつつあります。細胞が日々入れ替わっている証拠です。

 治らぬ病を抱えた悲劇のヒーローになるのではなく、正しいスキンケアと薬の使い方を覚え、日々役に立ちそうな情報を手に入れて自分なりの健康を維持するようにしていけば、何ということはないのです。

 というわけで、今日もホウキとちりとりを手に掃き掃除に勤しみながら、けっこう楽しくやっています。

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